料理を美味しく撮るために、撮影時にはどんな注意が必要なのでしょうか。今回は、プロの撮影スタジオのカメラマンが普段気をつけているポイントから、ちょっとした「ボケ」に関するテクニックをご紹介したいと思います。
「ボケ」のテクニックの基本とは?
料理・フード写真に限らず、商品を引き立てるための撮影にはいろいろなバリエーションがあります。細部のディティールや色味など、特徴をしっかりと表現することは基本的に重要な撮影要素ですが、ときには全体にピントが合わなくても、魅力的な雰囲気を伝えることができるのです。
それは、撮影したい商品や小物に焦点を当てて、その他背景などは効果的に「ぼかす」というテクニックです。
スマートフォンや、安価なレンズだとボケはうまく出にくいのですが、一眼レフ(またはミラーレスカメラ)とある程度の価格帯以上のレンズを組み合わせて使用することによって、ピントの浅い、ボケた写真を撮ることができます。
また、ストロボ光より柔らかい光を利用することができるため、どちらかというと自然光の方が「ボケ」の効果を狙いやすいと言えます。
どこに「ピント」を合わせる?
それでは「ボケ」とボケない部分は、どのようにして決めると良いのでしょうか。
一般的には、人間の目と同じく、フォーカスポイントと呼ばれる、主題(テーマ)となる被写体のもっとも重要な部分に合わせることが基本と言われています。
例えば、スイーツの写真を撮る場合を例をしてあげてみましょう。一番強調したいフルーツやトッピングに焦点を当て、周辺はぼかして撮影します。
ちょっとした工夫ですが、対象とする料理の一番美味しそうな場所が引き立ち、シズル感を強調させることができるのです。
見てるうちに、なんだかおなかがすいてきますよね。
さまざまな「ボケ」を利用し、商品を引き立てる
このように、カメラ特有の技法である「ボケ」を利用することで、美味しい!というユーザーの欲求を喚起することができます。周辺をぼかすだけでなく、背景に写り込ませるものを工夫したり、ピントが合う位置を少しずらす(前ピン、後ピンなど)ことで、さらにバリエーションのある絵作りを行うことも可能です。
また、グランドメニューなどはどちらかというとピントをしっかり合わせた写真が多く、使用用途による写真の使い分けも重要であると言えるでしょう。
このように、ショッピングサイトや通販カタログなどの料理・フード写真において、並みいる競合よりも「ワンランク上」のイメージを消費者に提案する必要があります。また、ボケの要素だけでなく、ストロボ光の質感を変えるなど、複数のテクニックを組み合わせることも重要です。
ぜひシズル感のある写真を目指し、御社商品の魅力度UPにつなげていきましょう。