カタログ、EC撮影などで商品の魅力をさらにアップさせるプロの撮影では、商品の組み合わせやライティングなどの要素に加え、「背景の選び方」も大切な要素とされています。
今回は、商品撮影の基本知識として、実践できる背景撮影のパターンや背景に使用する道具を解説いたします。
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1. 商品撮影の基本
商品撮影の重要性
商品撮影は、オンラインショップや広告などで商品の魅力を最大限に引き出すために非常に重要です。
高品質な写真は、商品の価値を正しく伝え、購買意欲を高めます。
背景の役割
背景は、商品の魅力を引き立てる重要な要素です。
適切な背景を選ぶことで、商品の特徴や質感を際立たせることができます。
また、背景はブランドのイメージを伝える役割も果たします。
2. 背景撮影のパターン
単色背景:定番の白背景
まず、定番の背景紙撮影について。もともと、インターネットでのショッピングが発展する前段階から、雑誌の撮影において背景紙の使用は一般的でした。バック紙、またはバックドロップとも言われる背景紙は、白や黒、グレーなどのニュートラルカラーが一般的に使用されます。
特に白い背景を使用して撮影する理由は、人物や洋服、バッグといった商品をすっきり見せるためには非常に有効ですので、ほとんどのショッピングサイト、カタログ撮影などで幅広く使われています。
ECサイト、特にAmazonでは、メインの背景色を完全に真っ白(RGB色:R255/G255/B255の)にすることを推奨しているため、注意が必要です。ZOZOTOWNや楽天、Yahoo!ショッピングでも白背景の写真は多く掲載されているため、みなさんおなじみかと思います。
色付きのカラーバック紙、布
背景(バックグラウンド)は必ずしも白だけとは限りません。グレーやベージュ、黄色やピンクなど、さまざまな色味のカラーバック紙(背景紙)が存在します。格安撮影の場合、主に白バックでの撮影が主体となりますが、カラーバランスなどにもある程度、配慮した撮影の方が高級感をプラスするなど、他社との差別化につながるかと思います。
某社のデータでは、白バックよりも色付きのバックを使用した方が目立ち、クリック率が上がったというデータもあるようです。もちろん、データをそのまま鵜呑みにするのもまずいかもしれませんが、これは、商品だけを掲載するよりもイメージカットや、モデルカットを掲載した方がクリック率が上がる、ということにも関係してくるかと思います。(一般論として、ぱっと目を引く、おしゃれに見える、という要素は重要です)
ちなみに、メンズの撮影ではカラーの背景紙を使用することはあまりないため(紺色や濃緑などの渋い色はあり得ます)、グレーもしくは白、商品によっては黒に近い背景などが望ましいでしょう。
また、背景紙以外では、布を使用して撮影する場合もあります。
グラデーション背景
グラデーション背景は、色の変化を利用して商品に深みを与える手法です。微妙な色の移り変わりが商品を際立たせて、高級感を感じさせることができます。
天板、板目
木目や石、布などの質感を利用して商品の雰囲気を強調します。
自然な感じを出したいときや、特定のテーマを演出するのに適しています。
「イメージカット」と呼ばれる撮影になります。
パターン背景
パターン背景は、ドット、ストライプ、チェックなどの繰り返し模様を使用します。
商品に遊び心や個性を加えたいときに有効です。
スタジオセット背景
スタジオセット背景は、特定のテーマに合わせてセットを組む方法です。
クリエイティブな演出が可能で、ブランドストーリーを伝えるのに適しています。
自然光の背景(ロケ撮影)
最後にご紹介したいのは、ロケ撮影です。ロケ撮影、外ロケなど、さまざまな呼び方がありますが、要するに屋外での撮影(ロケーション・シューティング)のことを指し、撮影業界では、スタジオ撮影の対義語になっています。
一般的なスタジオ撮影の光とは異なり、特にナチュラルな雰囲気を出したい場合に効果的です。
屋外での撮影のため、当然天候の影響を受けやすいという点も注意が必要です。以前、弊社に相談をいただいたクライアント様は、事前にサイトローンチの日程が決まっていました。そのため、サンプルの仕上がり&撮影の日程から逆算するとロケ撮影のみを決め打ちで行うとリスクが高いと判断し、7~8割をスタジオ撮影、残りの商品をロケ撮影で実施することによって、さまざまなバリエーションの写真を撮ることをご提案しました。
(時間制プランですと、着替えのために移動が必要なため、スタジオ撮影のみに比べると撮影カット数が少なくなることも留意点のひとつです)
3. 背景に使用する道具
背景紙
背景紙は、さまざまな色や質感のものが揃っており、手軽に使用できる背景素材です。
使い捨てが可能で、撮影後の片付けも簡単です。
布背景
布背景は、シワやドレープを利用して立体感を出すことができます。
カラーバリエーションも豊富で、簡単に交換可能です。
乳白アクリル
乳白アクリルは光を透過するため、化粧品などのビューティ撮影で多用されます。
デコラ
デコラは、もともと内装建材のひとつですが、軽量で持ち運びが簡単な背景素材で撮影に使用されます。
セットアップが簡単で高級感を演出できるため、シンプルな背景として重宝します。
天板
撮影台、と呼ばれる台の上に敷く板のことです。
さまざまな種類があります。
木の板やレンガ、タイルなど、リアルな質感を持つ素材を背景として使用することで、商品の雰囲気を強調できます。
グリーンバック
グリーンスクリーンを使用すると、後で背景をデジタル処理で変更できます。
いろいろな合成に対応できる柔軟性があります。
ライトボックス
ライトボックスは、均一な光を提供し、商品の影を最小限に抑えます。
小型商品の撮影に特に適しています。
4. 背景選びのポイント
商品の特徴を引き立てる
背景は商品の特徴を引き立てるために選びます。
商品の色や形状、質感に合わせた背景を選ぶことで、商品がより魅力的に見えます。
ブランドイメージに合わせる
背景はブランドのイメージを反映する重要な要素です。
ブランドカラーやコンセプトに合わせた背景を選ぶことで、一貫性のあるビジュアルを作り出せます。
撮影環境に適した背景を選ぶ
撮影環境や照明に適した背景を選ぶことも重要です。
光の反射や影の出方を考慮して、最適な背景素材を選びましょう。
5. 背景撮影のテクニック
光の使い方
背景を使った撮影では、光の使い方が重要です。
自然光を活用する場合は、時間帯や天候を考慮し、最適な光の条件を見つけます。
スタジオ照明を使用する場合は、光の角度や強さを調整して、商品と背景が美しく見えるようにします。
背景と商品の距離
背景と商品の距離を調整することで、商品の立体感を強調できます。
背景が近すぎると商品の影が映り込みやすくなるため、適切な距離を保つことが重要です。
撮影アングル
撮影アングルを工夫することで、背景とのバランスを取ることができます。
商品を引き立てるアングルを見つけるために、さまざまな角度から撮影してみましょう。
6. 背景素材の選び方
質感と色
背景素材の質感と色は、商品の見え方に大きな影響を与えます。
商品と背景のコントラストを考慮し、商品の特徴を際立たせる素材を選びましょう。
サイズ
背景素材のサイズも重要です。
商品が大きい場合は、それに合わせた大きな背景を用意し、小さい商品には適切なサイズの背景を選ぶことが必要です。
携帯性と設置のしやすさ
撮影場所や頻度によって、背景素材の携帯性や設置のしやすさも考慮する必要があります。
軽量で持ち運びが簡単な素材を選ぶと、さまざまな場所での撮影がスムーズになります。
7. 背景のメンテナンス
汚れやシワの防止
背景素材の汚れやシワは、撮影品質に影響を与えます。
撮影前に必ず背景をチェックし、必要に応じてクリーニングやアイロン掛けを行いましょう。
保管方法
背景素材を長持ちさせるためには、適切な保管が重要です。
使用後は丁寧に畳んだり巻いたりし、湿気や直射日光を避けて保管します。
8. 背景撮影の応用テクニック
デジタル背景の活用
デジタル背景を使用することで、撮影後に背景を自由に変更できます。
グリーンバックを使用し、後で背景をデジタル処理する方法もあります。
合成背景の使用
合成背景を使用することで、実際に存在しない場所やシーンを作り出せます。
フォトショップなどの画像編集ソフトを使用して、商品と背景を合成するテクニックです。
ストーリーを伝えるのための背景
背景を活用して商品のストーリーを伝えることも重要です。
特定のテーマやシチュエーションを背景に設定することで、商品の利用シーンをイメージさせることができます。
「イメージカット」と呼ばれる撮影で、キービジュアルなどに使用されることが多いです。
9. 背景撮影の実例とアイデア
実例紹介
実際の撮影例を紹介することで、背景撮影のアイデアを提供します。
成功した背景撮影の例を参考にすることで、自分の撮影にも応用できます。
アイデア集
さまざまな背景撮影のアイデアを集め、クリエイティブな撮影を実現するためのヒントを提供します。
異なる素材や色、パターンを試すことで、新しい発見があるかもしれません。
10. 背景撮影のトラブルシューティング
よくあるトラブルと対策
背景撮影でよくあるトラブルとその対策について解説します。
例えば、背景に影が映り込む場合の対処法や、背景の色が商品と合わない場合の解決策などです。
失敗を防ぐポイント
背景撮影で失敗を防ぐためのポイントを紹介します。
準備段階でのチェックリストや、撮影中に気を付けるべき点などをまとめます。
11. 背景撮影の未来とトレンド
最新技術の導入
背景撮影における最新技術の導入について紹介します。
例えば、3D背景やバーチャルリアリティ(VR)の活用など、未来の背景撮影の可能性について考察します。
トレンド予測
今後の背景撮影のトレンドについて予測します。
新しい素材やデザインの傾向、環境に配慮したエコフレンドリーな背景素材など、これからの背景撮影の方向性を探ります。
12. まとめ
背景撮影は商品の魅力を引き出すための重要な要素です。
適切な背景素材を選び、撮影テクニックを駆使することで、商品の価値を最大限に伝えることができます。
この記事で紹介したパターンや道具、テクニックを参考にして、自分の撮影スタイルに合った背景撮影を実践してみてください。
背景撮影の工夫次第で、商品写真のクオリティが大きく向上することでしょう。