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奥行きのある「パース感」を生かす【モデル撮影に効果的】

広告、ショッピングサイト、インスタグラムをはじめ、いまやさまざまな方面で必要とされるモデル写真。今回はアパレル、美容などで求められる人物写真のロケ撮影において、背景のパース感を生かした撮り方をご紹介します。

パース感とは?まずはロケ撮影とスタジオ撮影の違いをご紹介

多くの分野で需要が高まっているモデル撮影。みなさんもご自身のスマホで撮影したり、プロフォトグラファーのスタジオに撮影を依頼したりする機会は多いことでしょう。そんなとき、背景にもうひと工夫加えるには……と考えたことはありませんか?
モデル撮影時に押さえていただきたいアングルのひとつが「パース感」を生かした撮影手法です。まず、本格的な説明に入る前に、今回の内容はスタジオ撮影ではなく、ロケ撮影についてのノウハウになります。

▼スタジオ撮影とロケ撮影の違いについては、こちらのリンクをご覧ください。

スタジオでのシンプルな撮影は、モデルや服、帽子、靴といった内容を問わず、モデルや商品のディティールを訴求するという要素が強いですが、ロケ撮影については周囲の風景を含めたイメージを見る人に伝えることができます。簡単に言えば「自然な雰囲気」をより演出することができます。ユーザーは日常での使用シーンをイメージすることができるため、商品に対してより親近感を抱いてもらいやすくなるという効果が期待できます。

モデル撮影のパース感=遠近法とは?

(C) goome0122

さて、モデル撮影の際のテクニックのひとつである「パース感」とは一体どのようなものでしょうか。パース感はパースペクティブ(Perspective)、つまり遠近感のこと。奥行きのある遠近法は、紀元前にはすでに開発され、リネサンス期に理論化された、と言われています。人間の目やカメラのレンズを通してみた映像には、複数の線が交わる「消失点」が存在します。いわば、私たちが日常で自然に見ている遠近感を効果的に利用し、場合によっては少し強調することで、写真にインパクトを与え、奥行きのある絵作りを行うことができるようになります。

遠近感を効果的に加えるための機材選び

遠近感を加えるためには、被写体に向かってやや斜めのアングルから撮影すると効果的です。また、使用レンズは望遠レンズではなく、広角レンズ(または標準レンズ)を使用します。レンズの選択は、求めるパースの効果によって変わってきます。より歪んだ絵が欲しい場合には、広角レンズを使用した方がいいでしょう。
いろいろ書くと、なんだか難しく感じられると思いますが、たとえばスマートフォンの場合、やや広角のレンズが搭載されていますので、ズーム機能を使わず、そのまま撮影すればパースを生かした写真を撮ることができます。

パース写真を撮るときの注意点は?

まず、スマホや安価なレンズを使ってしまうと、ボケを生かした写真を撮ることが難しいため、背景の余計なものがくっきりと写ってしまう可能性があります。車や電線、歩行者などといったものが人物(被写体)の後ろにかからないように工夫して撮影しましょう。
また、一眼レフのようなプロ用カメラで撮影する場合にも、遠近感が強すぎてしまうとカメラ位置によっては頭が大きく見えるなど、スタイルが悪く写ってしまう可能性があるので注意しましょう。特にそうした効果を狙う場合でない場合、被写体自体に歪みが出ないようなカメラ位置で撮影することが必要です。

以上、今回はモデル撮影時に効果的なパース感についてご紹介しました。モデル撮りにかかわらず、さまざまな技法を駆使して被写体や商品の魅力を演出できるのが、撮影の面白さです。ショッピングサイトやカタログ撮影などの分野を問わず、メーカーさんや制作会社のご担当者の方々の参考になれば幸いです。

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