「物撮り(ブツ撮り)」とは商品撮影のこと。商品の魅力を最大限に引き出し、消費者の購買意欲を高めるための重要なプロセスです。
物撮りを成功させるためには、基本的な撮影技術やライティングの知識が欠かせません。本ブログでは、物撮りにおける基本と、プロのカメラマンが実践するライティングのコツについて詳しく解説します。
物撮りの基本:準備段階
物撮りを成功させるためには、まず準備が必要です。
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1.商品の理解と撮影コンセプトの設定
物撮りを始める前に、撮影する商品を深く理解することが重要です。
商品が持つ特徴や強みを把握し、それをどのように視覚的に表現するかを考えます。
この段階で、ターゲットであるユーザー(消費者)に対して、商品をどのように見せたいか、つまり撮影コンセプトを明確にしておくと、後の撮影がスムーズに進みます。
2.必要な機材の準備
物撮りには、適切な機材を揃えることが欠かせません。
カメラやレンズ、三脚はもちろんのこと、ライティング用の照明機材や背景布なども重要です。
また、小さな商品を撮影する場合は、マクロレンズやクローズアップレンズが役立ちます。
事前に必要な機材をリストアップし、準備を整えておきましょう。
3.撮影場所の選定とセットアップ
物撮りに適した場所を選び、セットアップを行います。
照明が安定している場所や、撮影に必要なスペースが十分に確保できる場所が理想です。
背景やプロップスを準備し、商品のイメージに合った環境を作り上げます。
この時、撮影する商品の色や質感に合わせた背景色を選ぶことがポイントです。
物撮りの基本技術
4.カメラ設定の基本
物撮りにおいて、カメラの設定は非常に重要です。
まず、ISO感度は可能な限り低く設定します。
これにより、ノイズを抑えたクリアな画像を得ることができます。
次に、絞り値(F値)を調整して被写界深度をコントロールします。
商品の全体をくっきりと写したい場合は、絞りを絞り、背景をぼかしたい場合は絞りを開けます。
シャッタースピードは、手ブレを防ぐために三脚を使用する場合でも適切に設定しましょう。
5.構図とアングルの選定
商品の特徴を際立たせるためには、構図とアングルの選定が重要です。
基本的な構図のルールとして「三分割法」を活用し、商品を画面内の適切な位置に配置します。
また、商品の形状やデザインに応じて、撮影アングルを調整します。
例えば、立体感を強調したい場合は、斜めからのアングルが効果的です。
6.背景と小物の活用
背景や小物(プロップ)の選定は、商品を引き立てる重要な要素です。
背景は商品を際立たせるためのシンプルなものを選ぶか、商品のテーマに合わせた背景を選びます。
また、プロップスを使用することで、商品の利用シーンを想像させる演出が可能になります。
プロップスを使う場合は、商品を目立たせるように配置し、全体のバランスを考慮することが大切です。
ライティングの基本とコツ
7.自然光と人工光の使い分け
ライティングは、物撮りにおける最も重要な要素の一つです。
自然光と人工光のどちらを使用するかは、撮影する商品の特性や求める雰囲気に応じて決めます。
自然光は柔らかく、自然な印象を与えるため、ナチュラルな仕上がりを求める場合に適しています。
一方、人工光はコントロールがしやすく、特定の効果を狙ったライティングが可能です。
8.ライティングの基本的な配置
物撮りにおける基本的なライティング配置として「三点照明」があります。
主光源、補助光源、バックライトの三つを使い、商品の形状や質感を際立たせます。
主光源は商品のメインとなる部分を照らし、補助光源は影を和らげます。
バックライトは商品の輪郭を際立たせ、立体感を強調します。
9.影と反射のコントロール
物撮りでは、影と反射のコントロールが重要です。
影を強調することで立体感を出すことができますが、過度な影は商品を暗く見せてしまうため、バランスが求められます。
反射をコントロールするためには、リフレクターを使用して光を均一に拡散させる方法や、商品の表面に直接光が当たらないように工夫することが効果的です。
実践的な物撮りテクニック
10.金属やガラス製品の撮影
金属やガラスなどの反射しやすい素材の撮影には、特別なテクニックが必要です。
これらの素材は光を反射しやすいため、ライティングの位置や角度に細心の注意を払います。
また、ソフトボックスやディフューザーを使用して、光を柔らかくすることで、反射を抑えつつ商品を美しく撮影できます。
11.テクスチャーを強調する撮影
商品が持つテクスチャーを強調したい場合、斜めからのライティングが効果的です。
光が表面をなぞるように当たることで、細かな質感が浮き上がり、商品が持つ独自の魅力を引き出すことができます。
このテクニックは、革製品や布製品など、テクスチャーが特徴的な商品の撮影に特に有効です。
12.小さな商品の撮影
小さな商品の撮影には、マクロレンズが活躍します。
マクロレンズを使用することで、商品のディテールを鮮明に捉えることができます。
また、背景やプロップスをシンプルに保つことで、小さな商品を際立たせることが可能です。
さらに、小さな商品は通常、複数のアングルから撮影し、全体像と細部の両方を見せることが重要です。
ポストプロダクションの重要性
13.レタッチと編集の基本
撮影が終了したら、次はポストプロダクションのステップです。
レタッチと編集は、商品写真をより魅力的にするために欠かせません。
まず、不要なゴミや汚れを取り除き、色調やコントラストを調整します。
また、商品の色が実際と一致するように色補正を行うことが重要です。
14.修正ツールの活用
Photoshopなどの画像編集ソフトウェアには、画像を修正するための便利な機能があります。
これらのツールを活用することで、商品表面の傷や汚れを簡単に修正できます。
特に高価な商品やデリケートな素材の商品を撮影する際は、これらのツールが非常に役立ちます。
15.カラーグレーディングと仕上げ
最終段階として、カラーグレーディングを行います。
これにより、全体のトーンや雰囲気を調整し、写真に統一感を持たせることができます。
また、エッジのシャープネスやノイズリダクションなど、最終的な仕上げを施し、完成度を高めます。
商品の魅力を最大限に引き出すために、細部にまでこだわった仕上げを行いましょう。
まとめ
物撮りは、商品を視覚的に表現し、その魅力を引き出すための重要なプロセスです。
基本的な撮影技術やライティングのコツを押さえることで、プロフェッショナルな仕上がりを実現することができます。
また、商品に応じた撮影方法やライティングのテクニックを駆使することで、商品の特徴をより効果的に伝えることが可能です。
さらに、ポストプロダクションでの編集作業も重要です。
適切なレタッチやカラーグレーディングを行うことで、写真のクオリティを一層高めることができます。
この記事で紹介した基本とコツを活用し、物撮りのスキルを向上させ、魅力的な商品写真を撮影してみてください。
高品質な写真は、商品をより魅力的に見せ、ビジネスの成功を支える重要なツールとなります。
物撮りの世界は奥深く、学ぶべきことが多くありますが、基本を押さえつつ実践を重ねることで、確実にスキルを高めることができます。
写真のクオリティが向上すれば、商品そのものの価値も高まり、最終的にはビジネス全体の成長につながるでしょう。