物撮り、またはブツ撮り(ぶつどり)とは、ビジネスや趣味で写真を撮る際に非常に重要なスキルです。
特にオンラインショップやSNSでのプロモーションには、視覚的に魅力的な写真が欠かせない要素です。しかし、ただシャッターを切るだけでは、商品の魅力を十分に引き出すことはできません。
そこで、この記事ではプロのカメラマンが実践している物撮りのコツを9つ紹介します。これらのテクニックを活用することで、より魅力的でプロフェッショナルな写真を撮影できるようになるでしょう。
そもそも物撮りとは?
「物撮り」あるいは「ブツ撮り」とは「商品撮影」、つまり商品や小物の撮影のことを指します。
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卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」が会員小売店を対象に行った調査によると、全体の8割を超える小売店が、「写真映えが商品の売れ行きに影響を与えている」と感じているそうです。
【設問】写真映えの良さが商品の売れ行きを左右していると感じることはありますか?(有効回答数:472)
【調査概要】
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:スーパーデリバリー会員(全国47都道府県及び海外の中小小売店)
■最大有効回答者数:486
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001096.000003091.html
写真映えと売れ行きの関連性を「とても感じる」「時々感じる」と回答している店舗は、全体の80%以上となっています。
いい写真を撮るためには?光をコントロールする
物撮りにおいて最も重要なのが光の使い方です。
光は写真の雰囲気を大きく左右し、商品の質感やディテールを強調するのに不可欠な要素です。
1.自然光を活用する
自然光は物撮りにおいて理想的な光源です。
特に朝や夕方の柔らかい光は、商品に陰影を与え、立体感を強調します。
自然光を使う際は、窓際など光が入る場所で撮影すると良いでしょう。
ただし、直射日光は強すぎて商品のディテールが飛んでしまうことがあるため、レースカーテンなどを使って光を拡散させるとより効果的です。
2.人工照明をコントロールする
自然光が十分に得られない場合や、特定の効果を狙いたい場合には、人工照明を使います。
プロが使用するストロボ光はもちろん、LEDライトなどの照明は均一で柔らかい光を作り出し、商品の細部を美しく写し出します。
また、ソフトボックスやリフレクターを使って影を和らげたり、背景を明るくすることで、商品の存在感を際立たせることができます。
3.背景と構図で魅せる
物撮りでは背景と構図が写真のクオリティを左右します。
シンプルでありながら商品の特徴を引き立てる背景と、効果的な構図を意識することで、より魅力的な写真を撮影できます。
4.シンプルな背景を選ぶ
商品の魅力を最大限に引き出すためには、シンプルな背景を選ぶことが基本です。
無地の白や黒の背景は商品そのものに注目を集め、余計な要素を排除します。
また、背景が商品のブランドイメージやテーマに合っている場合は、テクスチャーやカラーを活かした背景を選ぶのも効果的です。
5.構図で商品の魅力を強調する
物撮りにおいて、構図は商品の魅力を伝える重要な要素です。
商品の形状やサイズに合わせて、適切なアングルやフレーミングを選びましょう。
例えば、上からの俯瞰ショットは全体像を把握しやすく、横からのショットは商品の立体感を強調できます。
また、ゴールデンルールや対角線構図を使うことで、バランスの良い写真を撮影できます。
適切な「カメラ設定と機材の選び方」について考える
物撮りに適したカメラ設定や機材の選び方を理解することで、よりプロフェッショナルな写真を撮ることができます。
6.「カメラ設定の基本」を学ぶ
物撮りにおいては、カメラの設定が写真の質を大きく左右します。
まず、ISO感度は低く設定することが重要です。これにより、ノイズを抑え、クリアな画像を得ることができます。
次に、絞り値を調整して、商品のディテールを強調します。
背景をぼかしたい場合は、絞りを開放し、商品に焦点を合わせると良いでしょう。
シャッタースピードは、三脚を使用することで手ブレを防ぎつつ、適切な設定を行います。
7.「適切な機材」を選定する
物撮りに適した機材を選ぶことも重要です。
カメラ本体に加えて、レンズの選び方が写真のクオリティに大きく影響します。
一般的に、50mmの標準レンズやマクロレンズが物撮りに適しています。
これらのレンズは、商品の細部を鮮明に捉えることができ、歪みの少ない写真を撮影するのに適しています。
また、三脚は必須のアイテムであり、安定した撮影が可能になります。
さらに、リモートシャッター(レリーズ)やタイマーを使用することで、シャッターを押す際のブレを防ぐことができます。
ポストプロダクションで写真を仕上げる
撮影が終わったら、ポストプロダクション、つまり写真の編集作業が待っています。
この段階で、写真をさらに魅力的に仕上げることができます。
8.基本的な編集技術「露出やコントラスト」「ゴミ取り」など
まず、写真の露出やコントラストを調整して、商品のディテールを強調します。
また、色温度や色相を微調整することで、写真全体の色調を整え、商品の色を忠実に再現します。
さらに、不要な背景の要素やゴミを取り除くために、クローンツールや修復ブラシを使用します。
これにより、商品の美しさが際立ちます。
9.「高品質な仕上げ(レタッチ)」を行う
より高品質な仕上げを目指すなら、Photoshopのレイヤーを活用して、部分的な調整を行うと良いでしょう。
例えば、商品の特定の部分だけを明るくしたり、シャープネスを強調したりすることが可能です。
また、背景をぼかす技術を使って、商品を際立たせることも効果的です。
最終的に、全体の仕上がりを確認し、必要に応じて再度微調整を行い、完璧な写真を作り上げます。
実践あるのみ:継続的な練習と改善
物撮りは一朝一夕に習得できるスキルではありません。
繰り返し撮影し、自分の作品を見直すことで、技術を向上させることができます。
フィードバックを受け取る
自分の写真を第三者に見せ、フィードバックをもらうことは非常に有効です。
他人の視点からの意見を取り入れることで、自分では気づかなかった改善点が見えてきます。
また、SNSや写真コミュニティに作品を投稿し、プロや同業者からのアドバイスを受けることも技術向上に役立ちます。
常に新しい技術を学ぶ
写真の世界は日々進化しています。
新しい撮影技術や編集ソフトウェアの使い方を学ぶことで、常に最新のスタイルやトレンドに対応できるようにしましょう。
また、他のプロのカメラマンの作品を研究し、自分の作品に取り入れることで、新たなアイデアやインスピレーションを得ることができます。
終わりに
物撮りの極意は、光の使い方、背景と構図、カメラ設定、ポストプロダクション、そして継続的な学習と改善にあります。
これらのポイントを押さえて練習を重ねることで、より魅力的でプロフェッショナルな写真を撮影できるようになるでしょう。
物撮りは、ただの技術ではなく、アートでもあります。
自分のスタイルを見つけ、創造力を発揮しながら撮影を楽しんでください。