WEBサイトのTOPイメージやインスタグラムなど、特に最近、リクエストが増えているイメージカット撮影。弊社はプロフォトグラファー運営のスタジオとして年間を通して多くの撮影を行っていますが、今回はご要望の多いイメージカット撮影時に使える「ナナメの構図」に関して、ちょっとしたアドバイスを披露していきたいと思います。
ナナメのレイアウトで、ダイナミックな構図を演出
まず、コスメや雑貨、料理などのイメージ撮影時に気をつけなければいけないのは「主題である被写体をいかに引き立てるか」ということです。ファインダーから見える画面上のレイアウトを確認しながら、単調な絵にならないように、商品そのものや背景に写し込む小物の位置などを調整し、奥行きのある絵作りを行っていきます。
また、撮影時には斜めから撮影したり、商品を斜めに配置したりすることで、緊張感のあるフレーミングを狙う場合もあります。これは一般的に「対角線構図」と呼ばれる視覚効果で、被写体への注目度を高める方法なのです。
また、例えばグロスやマスカラのようなチップタイプは、商品ロゴの向きや見え方に注意しながら、置き方を調整していきます。まずメインの被写体位置を決めたあとで、同じシリーズの商品を配置して華やかに見せるなど、撮影する被写体の数や、商品の強調すべきポイントを頭の中で整理することが必要です。
そのほかの撮影時に注意すべきポイントは?
大まかな商品の配置場所が決定したら、つぎはカメラ側の設定を調整していきます。商品の端までピントを合わせるべきか、またはボケを生かした効果を狙うべきかといった「絞り」に関する設定や、商品の色味をどのように再現するかも重要な確認事項です。
自然光下での撮影は柔らかい雰囲気が出せますが、商品そのものの質感をシャープに表現することはできないことと、自然光は環境光のため、時間帯の影響や室内の場合、蛍光灯などの照明との混じり具合によって色味が変わってきてしまうことにも注意が必要です。
自然光のように柔らかい光で撮っていると思いきや、実はストロボ光で計算した光質を演出している、ということも実は多かったりします。
事前にラフなどで絵が決まっていると撮影時の時間を短縮することができるので、大まかに仕上がりの絵の方向性を決めつつ、小物などの事前準備は行っておいた方がよいでしょう。
構図に気を配り、撮影カットのバリエーションを増やす
このように、プロのフォトグラファーがコスメや雑貨、料理といった分野で撮影を行う際には、多くの工夫すべきポイントに気を配っています。
イメージカットの撮影時には複数の選択肢の中からベストな手法を組み合わせていくことが必要ですが、今回ご紹介したナナメのラインを利用し、構図にバリエーションを加えてみてください。