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カメラ位置(アングル)によって変わってくる効果【モデル撮影のポイント】

モデル撮影を行う際に重要な要素はいくつかありますが、特にカメラをどの位置からどの角度に構えるか(アングル)を無視することはできません。インスタグラムやTwitterといったSNSから、ショッピングサイト、カタログなどに使用される写真まで、商業写真で求められるモデル撮影の種類はさまざまです。今回はスマホ写真から一眼レフまで、あらゆる撮影シーンで活用できる「カメラアングル」について解説します。

「カメラアングル」とは?カメラを構える角度のこと

まずは、カメラアングルという言葉の解説からはじめたいと思います。「アングル」とは、英語で「角度」を表します。(actue angle=鋭角、obtuse angle=鈍角)つまり、カメラアングルとはカメラを構える際の角度のこと。多くの方は本格的に写真を撮る機会は少なく、普段あまり意識することはないかもしれませんが、モデル撮影の場合、モデルに対してどの角度から撮影するかによって、仕上がりの写真の印象は大きく異なってくるのです。

モデル撮影時に「普通のアングル」から撮ると?

さて、まずは特にアングルにこだわらずにカメラを構えて撮影してみましょう。モデル撮影に慣れていないほとんどの人は、カメラを構えたそのままの姿勢でシャッターを切ってしまうため、女性を撮るときは目線より高い位置になってしまい、ひずみが生じてきれいに撮ることができません。男性の場合は特に高い位置からかまえる形になりますが、女性が女性を撮る(それほど身長差がない)場合も同様です。
スマートフォンでバストアップの写真を自撮り(セルフィー)するときには、高い位置からシャッターを切って小顔に見せるやり方もありますが、これはあくまでインスタなどでの撮影技法。ECショッピングやカタログなど、商品をきれいに見せるという視点からすると、高い位置からの撮影は明確な理由がない限り、あまり行うことはありません。

「モデルの目線より低め」がモデル撮影アングルのセオリー

特に、スマートフォンやズームレンズでの撮影に慣れてしまっていると、手元でカメラやシャッターボタンをいじってしまうクセがついてしまうため、「きれいに見える角度を探す」という行動を怠ってしまうことがあります。プロでも、アシスタントとしての現場経験がなかったり、モデル撮影の経験が少なかったりすると同様のケースが発生することもあります。
モデル撮影の場合、やや低めのポジションから撮影することが基本です。フォトグラファーに腰痛持ちが多いのは、中腰の姿勢で撮影する機会が頻繁にあるから、とも言われています。
また、使用するレンズによってもアングルは変わってきます。望遠レンズで背景をぼかしたいときはそれほど低めの位置でなくてもかまいませんが、標準レンズや広角レンズなどはひずみが大きくなるため、レンズによる最適な効果を狙ってアングルを決めていきます。

基本のカメラアングルを駆使し、モデル撮影を進める

レンズだけでなく、バストアップ(Headshot)、腰から上のショット(Closeup, Half-Closeup)、全身(Full-Length)など、それぞれのカットで基本となるカメラポジションは異なってきますが、いずれもやや顔から低め、腰から下の位置から構えることが多くなります。全身のカットを連続して撮影する場合、三脚を使ってカメラ位置を固定すると安定した角度で撮ることができます。ただ、ECだと1つの衣装で全身とクローズアップを続けて撮ることが多いため、雲台部分を外せる三脚を使用するか、カット数が多い場合は手持ちで撮影する場合もあります。

応用編のカメラアングルと、モデルのポーズなどを組み合わせる

基本のカメラアングルに加え、オプション的なアングルでカメラ位置を変え、被写体に向かってナナメの角度から撮影をするときや、やや上から撮影を行うこともあります。また、気をつけたいのはクローズアップの撮影。シューズやアクセサリーはどうしても高い位置からの撮影になりがちなので、上からのぞきこんだアングルになりやすいのです。あくまでも鑑賞者の視点に立ち、どのアングルから撮影した方がベストかを探す工夫が必要となります。
こうしたカメラアングルに加え、モデルの顔や体の向き、ポーズも重要な要素です。最終的にどういった絵がほしいのか、その写真で伝えたいことは何かを考えて、撮影を進めていきます。

カメラアングルひとつで、大きな効果が得られることも

いかがでしょうか。今回は撮影時に大事な「カメラアングル」について解説しました。最近では、予算を格安で抑えるために、メーカーさん自ら撮影をされる機会も多いことでしょう。
弊社スタジオではモデル撮影や商品撮影をはじめとしたさまざまな撮影を行っていますが、アングルひとつで本当に大きな効果が得られることも多いと感じます。わずか一瞬のシャッターで魅力を引き出せる、それが写真の面白さです。今後の撮影では、どんな角度から撮られているかというアングルにも、ぜひ注目していただければと思います。

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